MALCA
■弊社特別顧問 竹田 契一先生よりメッセージをいただきました。
「子どもから青年まで社会不適応で困っている方のために」
平成19年4月に全国公立の小中学校において一斉に特別支援教育がスタートしました。学校では一人ひとりの教育ニーズを理解した関わりが少しずつですが進んできました。しかし，思春期青年期を迎えた子ども達への安定した進学就労は，緒に就いたばかりです。最近はその中で発達支援のNPOや障害者支援センターの立ち上げ等が増加の傾向にあります。
新しく開設された株式会社MALCAは，発達障害から引きこもりや社会不適応までのプログラムを提供するユニークな会社です。
子どもの特性を分かりやすく捉える高度なニーズアセスメント，科学的な根拠に基づいた一人ひとりの必要性に応じた生活指導プログラムの作成，コミュニケーション能力を調べ，学習，認知行動，ストレス・身体機能の改善(ヨガを含む)，社会常識を身につける規範教育，社会適応能力の開発指導までをトータルに提供してくれます。
社名にもうたわれているように，現在の主流であるライフサイクルという考え方では処理しきれない問題をライフコースという新しい視点まで広げてプログラムを提供していく事業は従来にはなかったものです。究極の個別指導を提供する会社であるといえるでしょう。
また，パソコン製造事業を通した発達障害者の自立のための能力開発訓練事業や研修生制度などが整備されているだけでなく，寮生活をベースにした社会適応能力開発訓練事業なども展開する実力も有しています。
今まで日本にはなかったオールラウンドのバランスの取れた『社会適応プログラム』の獲得が目標です。皆様に利用して頂けると幸いです。
竹田 契一
大阪教育大学名誉教授
大阪医科大学ＬＤセンター顧問
一般財団法人
特別支援教育士資格認定協会理事長
■品川 裕香さんよりメッセージをいただきました。
「ＭＡＬＣＡ宣言」
「このことを子どもの時に知っていたら，こんなにも辛く苦しい日々を大人になってから送ることはなかったのに……」
子ども若者たちを取材して，あっという間に四半世紀が経とうとしています。
もともと男性週刊誌の編集者だった私は，児童虐待の取材をきっかけに子どもたちの取材を始めました。虐待の背景に「育てにくい子」という一群があり，その「育てにくい子」のなかにMBD（微細脳損傷）のある子がいると知り，これは何だと調べてみると，今でいうＡＤＨＤやＬＤ等を指していることが分かりました。それから私の勉強と取材の日々が始まりました。
当初は子どもやその保護者の，そして子どもが長く居る場ということで教育現場の取材をしていたのですが，２００５年ごろから，取材の対象は若者にまで広がっていきました。
取材をしていた子どもたちが大きくなったことはその一因ですが，本を読んでくださった１０代後半から３０代４０代の方々から「自分もこの本に出てくる子どもと同じだ」というご相談を本当にたくさんいただくようになったからでした。
ある程度，年齢を重ねてから自分のアンバランスに気づき，それが心の問題ではなく生得的な課題とトレーニング不足によるものだと知った時，ある人は呆然自失とし，またある人は自分の努力不足ではなかったとほっと胸をなでおろします。
そんな彼らに共通することがありました。
それは，ほとんどの方が失われた時間を想って嘆き，怒り，悲しみ，そして「今からでも何かできることはあるのでしょうか？ 少しでも社会適応の仕方を学べる場所はありますか？」とおっしゃったことでした。それは悲鳴にも近い，心の奥深いところからの叫びのように私には聞こえました。
内藤さんから向井先生のスーパーバイズを受け，プログラム提供を受けながら起業されると聞いたとき，私はこれでやっとエビデンスに基づいた学びの場が確保できると内心とても喜びました。
ＭＡＬＣＡは，向井先生が宇治少年院や広島少年院の首席専門官を務めておられたころ，取材中に何度もおっしゃっておられたご自身の矯正教育理念，すなわち「生得的要因や環境的要因があろうと，すべての子どもの可鍛性を踏まえ，どの子も将来社会適応できるように，人生一度二度失敗してもやり直せるようライフコースで見ていくことが大事だ」を念頭に置いて単語を選びました。そうしたら不思議なことに，ＭＡＬＣＡ（マルカ）と，なんとも日本的な，やさしい響きを持つ言葉が生まれたのです。
経済格差が広がり，だれもが生きづらさを抱える昨今の日本。
だからこそ，ちょっとでも丸くなってお互い様の精神で，他者とともに社会の荒波を生き抜いていけたら，これほど素敵なことはないと私は思っています。
ＭＡＬＣＡは，そんな力をつけるために，必ずあなたの役に立ちます。
品川 裕香
教育ジャーナリスト・編集者
元内閣教育再生会議委員
前中央教育審議会専門委員